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公募情報

公募情報

細胞内の機能には、指折り数えることができる程度の少数の要素分子によって担われているものが少なからず存在する。例えば遺伝子は通常、細胞当たり2コピー(分子)しか存在しない。このような少数の分子によって引き起こされる反応は、アボガドロ数(1023)程度の数を前提とする濃度の概念を用いて厳密に理解することはできない。しかしながら、細胞内における少数の分子反応を扱う理論が未整備であったことに加え、少数分子の細胞内挙動を操作し計測する技術も無かったため、分子“数”という観点からは体系だった研究がなされてこなかった。本研究領域では、細胞内の分子数を計数・制御可能な技術の開発を進める一方、これらの先端技術を駆使し、従来の概念では解釈が困難な“分子数依存性の生命現象”にアプローチすることで、少数性生物学という新領域の開拓を目指す。

このため、研究項目A01-A03を有機的に結びつけながら推進すると共に、これらに関連する2年間の研究を公募する。特に、少数個の要素からなる反応システムに、分子協同性、分子コヒーレンス、分子個性、エルゴ-ド性、多階層間相互作用など物理的・化学的観点からアプローチする研究提案を期待するが、必ずしもこれらにとらわれる必要は無い。1年間の研究は応募の対象としない。なお、研究分担者を置くことはできない。

公募研究の採択目安件数は、単年度当たり(1年間)の応募額は550万円を上限とする実験的・技術開発的研究を7件程度予定し、300万円を上限とする理論的研究や萌芽的な実験研究に関して13件程度を予定している。

なお、研究内容の詳細については、領域ホームページ(http://paradigm-innovation.jp)を参照すること。

(研究項目)

  • A01 分子数の計測と制御を可能にする技術開発研究
  • A02 モデル生命現象にA01で開発した技術を用いて切り込む実験研究
  • A03 得られたデータをもとに、1分子系と多分子系のギャップを埋める少数分子系理論の構築と、その理論を再構成系で検証する研究